高齢化社会

高齢化が風俗業界に与える影響

歴史を遡れば、江戸時代の開国や産業革命などのように、時代の大きな変化により人々の価値観が変わることは珍しくない。
そして今の日本においても価値観が変わりつつある真っ最中だと思う。
きっかけは高齢化社会の到来だ。
高齢化社会による価値観の変化かつては幼児や児童の人口が最大数であり、歳を重ねるごとに人口が減少していく三角形を描いていた人口ピラミッドが変わりつつあるのだ。
これからは第一次ベビーブーム世代の65歳から、第二次ベビーブーム世代である45歳前後までの人口が最大数となり、逆三角形もしくは逆台形の形になる。
社会における価値観とは、その集団に属する世代の最大派閥の影響を受ける傾向が強い為、これからは45歳から65歳の人たちが望む価値観が反映される可能性が高くなるだろう。
今まで以上に福祉事業に力が入れられることも増えるだろうし、様々な場面で年齢層が高くなることだろう。
この点は風俗嬢にも当てはまるだろうから、風俗嬢の平均年齢も上昇することが見込まれる。
その兆しは既に見えていて、現在の風俗業界では人妻店や熟女店の人気が高まっている。
前回の記事でも触れたが、もはや風俗嬢にとっては若ければ稼げる時代は終わったと言えるだろう。

風俗嬢の高齢化も着々と進んでいる

テレビのニュースなどでも、日本の高齢化社会に関する話題を耳にする機会が多いので、なんとなく理解できる人も多いだろう。
しかし、実際に風俗嬢の年齢が高くなっていることを実感できている人は少ないはずだ。
私は仕事柄、風俗の情報サイトをよく見るが、好みの女の子を探す機能を使って、どのようなタイプの風俗嬢が多いのかを調べてみると、「ぽっちゃり」や「人妻」といった特徴を持つ風俗嬢が増えていることがよく分かる。
反対に、1990年代から2000年の初期に流行っていた「ギャル」の人数が減っているのにも注目したい。
この事柄一つを取っても、時代が変わるにつれて主流となる存在が入れ替わってきていることが理解できるはずだ。
風俗店利用者の平均年齢が高くなるにつれて、そこで働く女性たちの年齢も引き上げられることは自然の成り行きと言えるだろう。
時代を重ねるごとにフェチと呼ばれる嗜好の種類が増え続けてはいるが、現在はフェチの多様化と言うよりも、フェチの壮年化と言った方がしっくりくるだろう。
今の風俗業界は、昔のようにとにかく若い女の子というのではなく、ある程度の歳を重ねてぽっちゃりした体型、またはラインの崩れた体型の女性が主役へと躍り出る過渡期だと言えるだろう。

「容姿不問」や「ぽっちゃり歓迎」の求人広告が増えている理由

「昔は良かった」という懐古主義者が多いのは風俗業界でも同じことで、現在のように早い潮流で変化する価値観に付いていけない経営者が多くいる。
その点は、古くから続いている風俗店の閉店が増えていることからも分かるだろう。
10年前や20年前であれば、風俗未経験者で若い女の子であれば高い給料を支払っておけば済んでいたのが、今ではどの風俗嬢が稼ぎ頭になるのかは分かり辛くなってきている。
その為、ベテランの経営者であるほど、なまじ経験があるだけに間違った判断をしやすくなってしまうのだ。
風俗嬢はお店の中で贔屓があったり、自分への評価が低いと、別のお店へすぐに移籍してしまう特徴がある。
今までの価値観のまま、「ちょっと太っているから」とか「年齢が高いから」という理由で、日給保証の金額を低く設定したり、フリーの客を付けるのを後回しにしたりすると、すぐに退店してしまう。
もしかしたら、彼女たちこそが金の卵であったかもしれないのにも関わらずだ。
そうならない為には、応募をしてきた女性は一旦全て採用するというのが最も選択を誤り辛い方法になる。
最近の風俗店の求人広告に「容姿不問」や「ぽっちゃり歓迎」という内容が増えているのは、こうした背景があることが伺える。
よく見る求人広告の表現一見すると正解のように見えるこの方法にも落とし穴があって、在籍する女性の数が増えるということは、お客さんが多く入らなければ保証給与の分だけお店のマイナスが増えてしまうということだ。
つまり、元々多くの客が利用する人気店か、資本力のある大手グループでなければ、経営的にはジリ貧と言える。
このことから、老舗店の閉店が続いている理由も見えてくるのだ。
昔は日陰の存在であった風俗店も、今では時代の流れに敏感でなければ淘汰されてしまう時代に入っているのである。